書評:ユダヤ人大富豪の教えII さらに幸せな金持ちになる12のレッスン 本田健著(だいわ文庫)
生きていく上で欠かせないものの一つである、お金。
お金は人を喜ばせたり、安心させたり、時に悲しい出来事を起こすきっかけを作ったりと、人を簡単に振り回す、物凄いパワーを持った道具です。
では、お金は自分でコントロールできるものでしょうか?
お金に振り回されず、生きていくことは可能でしょうか?
本田健著「ユダヤ人大富豪の教えII さらに幸せな金持ちになる12のレッスン」(だいわ文庫)は、心を豊かにするお金の付き合い方について、物語形式で教えてくれる本です。
主人公の大学生は、アメリカの大富豪であるゲラー氏から1通の手紙を受け取ります。手紙には、スイスの親友であるホフマン氏を紹介し、主人公にお金のレッスンをしてあげると書かれていました。主人公はチャンスにかけてスイスへ飛び立ち、ホフマン氏から12のお金のレッスンを受けます。
今回は、本文中から少しだけ、筆者が印象に残った内容をご紹介できればと思います。
■「お金から解放されると心から決めた人間だけが、自由になれるんだよ」ー本文より抜粋
お金持ちになれる人となれない人の違いについて、ホフマン氏はそう語ります。「お金持ちになりたいと願うこと自体、既にお金に縛られる結果を招く」と。
では、お金持ちと言われる基準はどこにあるのでしょうか?何不自由なく生活できることがお金持ちでしょうか?世間一般的にお金持ちと言われるくらいでしょうか?それともハイエンドな車や家、プライベートジェットを持つ人がお金持ちでしょうか?
本当の豊かさや幸せは、自分がそうなることにふさわしいと決めるだけで良いものとホフマン氏は語ります。
■「お金に対して語るその人の価値判断で、ふだん何を考え、どのように行動するのか、そして将来までもわかってしまう」ー本文より抜粋
お金に関わる自分の行動を振り返ると、いかがでしょうか?お金を通してどのような感情が湧いて、どのような情景が見えてきますか?
ある人は、権力やパワーを見たり、ある人はお金を持てば自由になれると考えていたり。またある人は、お金は汚いものでマイナスなものと捉えるかもしれません。
ホフマン氏はこう語ります。「お金を感謝で受け取り、払える人は、幸せだ。」と。そして、「人は、自分の見たいものを見る。人生で経験してきたものをそのままお金に投影するのだよ。」と。
お金を水に例え、世の中を循環していると考える人がいます。ある人は、お金の出口がなければ、水と同様に澱んでしまうと考えます。
同時に、流れる水の種類も、湧水があったり、浄化された水があったり、濁った水があったりと様々です。
みなさんは、どのような水(お金)と共に生きていきたいでしょうか?
■「一族のお金に対する考え方が、新しく生まれてくる子供の運命をも決めてしまうと言える。」ー本文より抜粋
小さい頃、ご自身のご家族や周りの大人はどのようにお金と付き合っていたでしょうか?
いつもお金が無い、貧乏だと口癖のように話す親だったでしょうか?好きなものにはどんどんチャレンジしていい。サポートすると話すような、お金に余裕がある雰囲気を持つ家庭だったでしょうか?お金を受け取ったらすぐ貯金する、娯楽などはせず、いわゆるお財布の紐が硬い環境の中で育ちましたか?それとも、お金はあるだけ使う、ギャンブルもたくさんするような環境で育ったでしょうか?
これまで生きてきた中で、無意識に植え付けられているお金に対する考え方や感情に気づき、癒す必要があるならば、その感情や思いを抱く自身を優しく認めることが大切だと、ホフマン氏は主人公に説きます。
■「美しく儲けるというのは、多くの人を幸せに豊かにするということだよ。」ー本文より抜粋
ある人は、億万長者になったにも関わらず、数年後に周囲が見て哀れな姿になっていることがあります。一方、何十年も継続して少しずつ着実に富を築き続けている人もいます。その違いは何でしょうか?
確かに稼ぐことは容易くできないため、それだけで尊く感じるものです。しかしながら、ホフマン氏はこう説きます。
「人を豊かにしながら、金持ちになっていかなければ、長期的な成功はあり得ないと考えたほうがいいだろう。」と。
人は誰しもお金持ちに憧れ、彼らのラグジュアリーな生活を羨ましく思ったりするものです。
もしくは、嫌悪を抱き、お金を持つことは悪だと思うかもしれません。
欲望は際限なく、いくらお金を稼いだとしても、自分が満たされなければ、心の渇きは癒えません。
何がご自身の幸せで、お金はいくら必要でしょうか?そして、どのように稼ぐことが理想でしょうか?
お金を通して見えてくる、自分の希望や、過去の出来事、幸せのかたちを本書を通して感じてみてください。
幸せなお金持ちへの第一歩として、新しいご自身が見えてくると思います。
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